「それはあなたが決めることですね」って、つまり死ねってことでしょ?

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上の記事の追記だけど。

「じゃあ死ねば」と言うのではなく、こちらは「死ね」とも「死ぬな」とも言わずに、徹底して「それはあなたが決めることですね」という態度を取るということです。


「死ねば」とか、相手の生き死にに関与するような言葉をこちらが言ってしまうと、相手に「だって、あなたがそう言ったじゃないか!」と言われて、そこをつけ込まれるので、その隙を与えないようにする戦略を取るということ。


「死ぬな」と言うと、「私に死んで欲しくないって言ったでしょ。だから言うことを聞いて」とくるし、「死ね」といえば、「じゃあ死にます。(だって、あなたがそう言ったから)」と言って、手首を切ったり道路に飛び出したりするし、「○○さんに死ねって言われたから~」とか言い出すので。

「それはあなたが決めることですね」と言っても無理。

『「それはあなたが決めることですね」って、つまり死ねってことでしょ?』

って返されるだけ。


そんなことは言っていない、あなたが決めることだと言ってるだけです、と返しても、話は通じない。

『じゃあ死んでほしくないの? どっち? どっちか答えないなら死ねって言ってるのと同じだからね?』

ってなる。どうはぐらかそうと同じである。

「○○さんに死ねって言われたから~」は、文字通り「死ね」と言われていなくても彼らの中で成立する。成立した次の瞬間には、文字通り「死ね」と言われたことになっている。隙とか言質とかはどうでもよいのである。


「じゃあ死ねば」と「それはあなたが決めることですね」は、態度として同じではないかと思う。どちらも、あなたの生死には無関心である、という意味において。

生死に無関心という態度は非難されても仕方がない、そんな態度は取るべきではない、と思えるかも知れない。でも、日常生活において、我々はそんな非難はとっくに克服しているはずである。

シリアでは内戦で多くの市民が命を落とし、発展途上国には餓死の危険に瀕した無数の子供たちがおり、各国の病院には本人に何ら責任のない不治の病にかかって死を待つ大勢の人々がいて、そして自分の前には何かよくわからないけど死ぬと言っている人が一人いる。

そういう状況だという話。