人間の赤ちゃんが「自分では何もできないうちに生まれてくる」理由は、その方が親の頭が良くなるから

例えばキリンの赤ちゃんは生まれて1時間程度で立ち上がり、1日以内に自分で敵から逃げることも可能になる。猿の赤ちゃんは、母親に自分でしがみつくことができる。

一方、人間の赤ちゃんと言えば、もう救いようのないほどに、何にもできない。なのに、成長すればキリンや猿なんかより(大抵は)ずっと頭が良くなる。

なぜ、人間の赤ちゃんは、自分では何もできないうちに生まれてきてしまうのだろうか?

その理由として「人間は知能が高いので頭が大きく、胎内で成長し過ぎると、産道を通れなくなってしまうから」というのは聞いたことがあったが、それだけではない、という話が The New Yorker に載っていた。

www.newyorker.com

頭の大きさと知能の関係は、赤ちゃんが早く生まれてくるためのインセンティブとなる。しかし、そのサイクルを実際に回しているのは、「成熟までの時間」と知能の関係かも知れない。

世話をする対象の生き物が何もできなければできないほど、世話役は頭が良くないといけない。つまり脳がより大きくないといけない。そうすると、出産時の脳の大きさには生理学的に制限があるので、赤ちゃんはより何もできない状態で生まれて来る必要がある。こうしてサイクルが続くのである。


つまり、「頭が大きいから早く生まれてくる」というのはサイクルの一側面であって、サイクル全体を考えた時、赤ちゃんが何もできないことは、頭の大きさを誘引しているというわけである。

なるほどね、という感じではあるが。

このモデルが本当なのかどうかを調べる一つの方法として、双子(通常妊娠期間が短く、従って成熟までより長い時間がかかる)は頭が良いか、そして双子が親になるとより頭の良い赤ちゃんを生むか? という話が紹介されている。

さあ、どうでしょうね。