確かに、ペンの力は弱くなっている

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鳥越氏が言う「ペンの力」とは、「急ごしらえの知識で書いた記事でも、かつては世論を動かすことができた」という意味だ。事実誤認やバイアスがあっても読者からの批判に容易には晒されず、マスメディアが世論の頭上に聖域として君臨することを許されていた時代のことだ。

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彼は、「国民は騙されている」と思っている。かつて魔法のように効いた力が弱まり、国民の目を覚ますことができない。新聞も雑誌もテレビも、そして選挙活動でも、残念ながら国民の考えを変えさせることはできなかった。昔ならカンタンにできたのに、ペンにはそういう力があったのに。

残念ながら、時代は後戻りしない。今やネットは、良かれ悪しかれ大きな力を持っている。ネットを無視して世論に影響を与えることはもうできない。実務家であれば、そういう現実も直視できたはずだった。しかし、一度手にした魔法の力に縋る人間にとっては、無理な相談だったのだろう。

「古き良き時代」を懐かしむのは、老人の特権である。が、できれば懐かしむだけにしておいて欲しいものだ。