自称をどこまで信じるか問題

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自分が最初に思ったのは、これはテレビの取材を騙った偽物ではないのかということだ。一人暮らしだったらどうなっていたかと思うと怖い。

そしたらカメラ持ったお兄さん&アシスタントのお兄さんの二人組に声をかけられたので、まあ、よくある街頭インタビューってやつかなと。

ここで「よくある街頭インタビューってやつかなと」思ってしまえる理由がよくわからない。まあ、この事例は酒に酔っていたとかその他いろいろな事情があるのだろう。ここからは一般論として書く。


街頭インタビューが本当にテレビの街頭インタビューである、と判断するにはどうすればよいのか? 名刺や腕章を見せてもらう、というのは一つの手かもしれない。しかし、そもそもそれが本物であることをどう担保するのか。偽物の名刺や腕章なんて、いくらでも作れるのだ。

考えられるのは、その場で、公開されているテレビ局の電話番号を調べて電話をし、現在これこれこういう人間に取材を受けているのだがこれは本物なのか、と聞くぐらいだろう。渡された名刺の電話番号にかけてはいけない。また、例えばよく知らない企画会社の名前を言われてその名前を検索して電話番号を調べてもダメだ。あくまで、自分が知っている組織や団体について、自分で調べるということをしなければいけない。

深夜で電話がつながらなかったり、要領を得ない答えしか返ってこなかったら、偽物と判断した方がいい。そしてテレビ局の代表番号にかけても、個別の取材について確認を得られるとは考えにくいので、「本物と判断できる街頭インタビューなどそもそも存在しない」と思っておいた方が良いのだろう。

インタビュワーが、自分が顔を知っている芸能人だったらどうだろう? 顔を知らない人間よりは「自称インタビュワー」を信じても良いように思える。だが、「テレビで顔を知っている」ことがどれほど信用を高めるのかというと、実は心もとない。女子高生の制服を盗んでいたり、覚せい剤を常用していたりする人間が、何らかの動機で自分を騙そうとしているのではない、と断言するのは難しい。


同じような状況は、街頭インタビュー以外にもある。NHKの契約を取ろうとしてくる人が突然家に来ても、そもそも本当にNHKの契約なのかどうかがわからないので契約のしようがない。警官に街頭で職務質問をされたとしても、それが本物の警官なのか、彼・彼女が提示する警察手帳が本物なのかどうかわからない。


もちろん、世の中の全てを疑っていると、まともな社会生活は送れない。ドラえもんの「ギシンアンキ」を常時服用しているようなものだ。「自称」をどこまで信じるかは、難しい問題である。


ただ、テレビの街頭インタビューは、何も考えずに断るのが簡単で良いと思う。