生活保護

 つくづく思うんだけど、支給すべき人を門前払いして、支給しなくてもいい人に支給する生活保護って、生活保護の体をなしてないと思うんだけどな。

NC-15 - 生活保護の水際作戦も大概にしろっての。


生活保護という制度が政府によって提供されている限り、こうした弊害は消えないだろう。政府には、生活保護を受けさせるべきだ、と納税者が思う対象に生活保護を受けさせるインセンティブが無いからだ。


もちろん納税者、たとえばあなたには、「支給すべき人に支給をして、支給しなくてもいい人には支給をしない生活保護制度」を実現するインセンティブがある。(でなければもともと生活保護などという制度は無いほうがいい。)

しかし、誰が支給を許され、誰が許されなかったかという情報を政府から引き出し、それが自らの思い描く基準と合致しているかを調べ、さらにその結果を次回の投票に反映させるのにかかるコストの大きさは、おそらくあなたをしてその行為をためらわせるのに十分ではないだろうか。

そしてたとえその行為を行ったとしてもなお、あなたの選んだ候補者が当選するとは限らない。つまり、あなたの思う通りの生活保護制度は(コストを負担したにもかかわらず)実現されない可能性がある。さらには生活保護以外の政府が行うすべての事柄についてもそれが言え、そして投票に際してはそのすべての事柄に対してあなたはあなたなりの優先度を付けるだろう。そうすると、あなたの目指す生活保護を実現させようとするインセンティブはさらに減る。

結果として、政府は納税者ではなく、もっと直接的に政治力を発揮するようなインセンティブを持つ人々に利するように仕事をすることになるのである。


解決策は、政府による生活保護を止めることだ。


生活保護を受けるべき人がいて、そのためならお金を出しても良い」と思う人たちからお金を集め、それを受けるべき人に渡すのは、政府でなくてもできる。と言うよりも、政府にはやらせないほうがいい。政府は民間と同じ仕事をするにも非効率であるし、そもそも同じ仕事ができないのである。