帰属家賃と効用

持ち家は「負債」であるか?


持ち家で得られる収益は帰属家賃であるが、帰属家賃というのは「自分が自分に支払っている」ので、金額的にはプラスマイナスゼロである。


しかしながら、なぜか「自分が支払っている金額よりも、自分が受け取っている金額の方が多い」と感じられる場合がある。つまりその差が、所有不動産に自ら居住することで得られる「効用」である。


家を持つことで満たされる所有欲、住居の改築やら何やらを好き勝手に行いたいという欲求の大きい人、他人に貸した場合の家賃収入にかかる税金を気にする人にとっては、この効用が大きく作用する。


一方、不動産という資産の持つリスクを避けたい人、売買を伴わず気楽に家を住み替えたいという人、所有不動産に課せられる税金を気にする人にとっては効用は無い(というよりもマイナス)。


これは元記事にある通り多分に主観の問題であって基本的には優劣は無い。

今日の株価を見るまでもなく、金融資産(株価など)は、値段の変動が激しい。不動産価格も値動きが激しいが、自分に対する効用(帰属家賃)部分は、自分の主観に依存するものである以上、非常に安定的である。


ある人にとってはその主観は安定的かもしれないが、別の人にとっては本一冊読んだだけで変わることもある、ということを示したという意味では金持ち父さんは類稀な書籍だったと思う。