モンティ・ホール問題を言葉だけで納得してもらう方法
FIFTH EDITION: ベイズの定理と3囚人問題、モンティ・ホール問題を言葉だけで納得してもらう方法を募集。
プレイヤーは、三つのドアを見せられる。ドアの一つの後ろにはプレイヤーが獲得できる景品があり、一方、他の二つのドアにはヤギ(景品がなく、ハズレであることを意味している)が入っている。ショーのホストは、それぞれのドアの後ろに何があるか知っているのに対し、もちろんプレイヤーは知らない。
プレイヤーが第一の選択をした後、ホストのモンティは他の二つのドアのうち一つをあけ、ヤギをみせる。そしてホストはプレイヤーに、初めの選択のままでよいか、もう一つの閉じているドアに変更するか、どちらかの選択権を提供する。プレイヤーは、選択を変更すべきだろうか?
■答
変更すべきである
■理由
- 初めの選択でハズレだった場合、変更すれば必ず当たる。
- 初めの選択でアタリだった場合、変更すれば必ず外れる。
まず、初めの選択でハズレだった場合に変更すれば必ず当たるというのは、なぜか。
もちろん、残り一つのハズレをモンティが教えてくれるからだ。
で、初めの選択でハズレかアタリか、どっちの方が確率が高いかというと、ハズレだ。
なぜならば、アタリのドアは一つ、ハズレのドアは二つだからだ。
もう一度書くと、
- 初めの選択でハズレだった場合(確率が高い)、変更すれば必ず当たる。
- 初めの選択でアタリだった場合(確率が低い)、変更すれば必ず外れる。
初めの選択ではハズレの確率が高い。でもその場合は変更すれば必ず当たるのだ。逆に、初めにアタリだった場合は諦めるしかないのだが、安心して欲しい、その確率は低いのだ。となると、こりゃあもう変更するしかないではないか。
■補足
palさんの言う「直感的に納得しにくい」理由はおそらく、我々が学校の授業でいつの間にか標本理論に染められてしまっているからだ。
ここでちょっと気をつけて欲しいのは、上記モンティ・ホール問題には、直接書かれていない暗黙の前提があるということである。
それは、プレイヤーの選択に関わらず、モンティは他の二つのドアのうち一つを必ずあけるということ、そしてそのルールをプレイヤーが知っていることだ。
考えてみて欲しい。
プレイヤーがアタリを選んだとき、モンティは「それでいいんですね?」と聞くだけで何もせず、ハズレを選んだときだけ、もう一つのハズレのドアあけるとしたら、どうするべきだろうか?
答えは簡単。
そのことをプレイヤーが知っているなら、「それでいいんですね?」と聞かれたら変更しない。モンティがドアをあけたら、変更する。これで、必ず景品がもらえる。当たり前のことだ。
言いたいのは、モンティの行動内容、そしてそれを事前に知ることによって、当たる確率を高められるということである。
この問題においては、モンティが「どんな場合でも必ずハズレのドアをあける」という情報を知っていることは、勘だけで勝負するよりもプレイヤーにとって有利なことなのである。
事前に情報を知っている者が有利であるということ、これは直感に反しているだろうか?