恋愛至上主義女とのダイアローグ

先日夕食を共にした女性は常に恋愛をしていないと寂しくてしょうがないという性質の持ち主で、私は彼女の誘いを受けたとき、きっとまた今の彼氏とうまくいってなくて寂しいんだろうなあ、という推測をしていたのだが、実際には彼氏ととてもうまくいっているという報告というか自慢というかそんな感じでちょっとがっかりした。


そして、話題はなぜか私の恋愛のことになった。


これは私が悪いのだが、彼女は、私が特定の女性と付き合っていないと思っている。現在恋愛をしていないと思っている。まあそれはある意味真実であるやも知れず、私はそのことについては特に彼女に話すつもりはなく、というよりも私は自分の恋愛のことを他人に話すのが嫌いであり、何より彼女とはその話をしたくないのだ。


それなのに彼女は私に「好きな人はまだできないの?」だの「寂しくないの?」だの「じゃあ今何が楽しいの?」だの無遠慮に聞いてきて、私は気分を害してしまった。


別にどうでもいいだろう。恋愛していないことがそんなに問題なのか。好きな人がいないってそんなに異常か。


その後、私が今楽しいと思っていることを頑張ってしゃべったのだが、彼女はおそらくは憐れみの表情を浮かべてそれを聞いていた。「寂しさを紛らわすためにそんなことに熱中しているのね」とでも言いたげに「すごいね」とか「きっとうまくいくよ」とかそういう相槌の打ち方をしやがるので私はまたどうにもやるせない気持ちを抱いた。


ざけんな。女と付き合ってるよりよっぽど楽しいっつーの。


とか言うとまた強がりだと思われるだけなので黙っていた。


まあ結局のところ彼女は私に自分と同じように幸せになって欲しいと思っていただけであり、一方私は食事のあと彼女の部屋かどこかに行きたかったけど無理だろうなと思っていただけ、という話。