スピリチュアルとかを信じない人に対して


近々結婚するかもしれん、と言っていた友人と、久々に飲み会で会った。


「結婚はどうなった?」と聞いたら、「別れたので白紙」だそうで。


飲み会のネタにちょうどいいと言うことでみんなで別れた理由を聞き出した。



当初彼はその理由を、


「彼女がスピリチュアル系に嵌りすぎ」


だと言っていた。だが、正確には違うようだった。



たとえば水回りを常にきれいに掃除しておくとか、カーテンを黄色にするとか(よく知らんけど)、そういう風な行動は彼にとって何の問題でもなかった。むしろ女性として少しぐらいそういうのにハマるのは可愛いもんだと思っていた。


彼と彼女の関係において決定的だったのは、彼女の行動ではなく、「彼が本心ではそういう話をまったく信じていないことが明らかになったとき、彼女がそれを許容できなかったこと」らしい。


もちろん付き合っていた際、二人の間でその手の話題は何度も出ただろう。

そして彼は、彼女が占いやらスピリチュアルやら江原なんとかやらを信じるとか信じないとかじゃなく、ひとつのツールとして、話題を提供してくれるもののひとつとして、楽しんでいるものだと思っていたのだ。自分もそれに話をあわせて、結果楽しく付き合えていたのだ。自分は本当は信じてないけど、そんなことは問題じゃないのだろうと。


しかしその態度が彼女に受け入れられなかった。彼女にしてみれば、何度も楽しく話題にしていたはずなのに信じてないってどういうこと! という話。



「本気でああいうのを信じている人に初めて会った」


彼は呟いていた。



彼の過去をあまり知らないのだが、実際のところ彼は女性経験が少ない、ような気がする。