俺は正社員様だ
ホワイトカラー・エグゼンプションなんて許されない。
残業手当てを払わなくてもいい法律なんて許されない。
もしそんなことになったら、企業は俺の代わりに「残業手当てが無くても働く意欲を持っている労働者」を雇ってしまうではないか。
残業しながら学びたいという若い社員に、その機会を与えてはいけない。
やがて彼らが経験や技術を身に付けたとき、俺の正社員の地位はどうなるというのだ。
そんなことは許されない。
むしろ、法律で定められている残業手当て、つまり「最低賃金」を引き上げろ。
引き上げて、俺の残業手当てと同額にしろ。
そうすれば、俺より低い残業手当てで働きたいという若い社員はクビにならざるを得ない。そういう意欲を持つ学生やニートやフリーターは就職できない。
そうやって、彼らから経験や技術を身に付ける機会を奪え。
そうすれば、俺の正社員の地位は安泰だ。