公的サービスと所得の再分配

年収150万円と3000万円で“税率”が同じ国 構造改革をどう生きるか(第58回)森永 卓郎氏/SAFETY JAPAN コラム/日経BP社


どれだけ税金を払おうが、受けられる公的サービスに差は無い。高額納税者優先道路は無いし、公共交通機関での優先乗車も無いし、市役所にVIPラウンジも無い。図書館で借りられる本の冊数すら多くならない。

つまり税金は、公的なサービスの代金という意味以外に、金持ちが貧乏人に分け与えるお金、すなわち所得の再分配の機能を担っているのである。


問題は、その再分配がどのような形で行われるべきかということだ。


個人の所得を強制的に調べ上げ、一律に税金を徴収することが果たして理に適っているのか? そして、そのような強大な権力を政府に与え続けることに、多くの人は何の疑問も覚えないのだろうか?